ていねいな暮らしオブセッション
最近(ここ1年ほど)夫がはまっているのが「丁寧な暮らし」。
元々は、私がお勧めした松浦弥太郎さんの本たちからなのですが、ストンと夫の何かにハマったらしく、今は人生のコンセプトの一つだ!と言うくらいになっています。
生ゴマを買ってきて擦ったり、玄米を買って精米したり。この間はメープルシロップとナッツでナッツキャンディを作ってました。元々コーヒーを丁寧に入れるのが好きな人なので、合ってたんでしょうね。私も美味しい思いをできるので、これはこれでありかなと思ってます。
松浦弥太郎さんは、雑誌「暮らしの手帖※」の元編集長で、今はweb「くらしの基本」運営をされている文化系男子おじさん、という感じの方です。
考え方や生き方が「自分で考えて」いるところが良くて、また私も好きな作家さんの1人です。
そうは言っても、ちびっこが出来てからは、なかなか丁寧な暮らしが見えないのも現実。
今の私は、ジェーン・スーのコラム「ていねいなくらしオブセッション」に強く頷くのです。
『(暮らしの手帖を開き、手縫いの花布巾の写真を見ている描写〜)どのページを開いても、時間と労力を注いだ人だけが獲得できる、ていねいな暮らしがあふれている。うっとりとした気分でそれを眺める私ですが、書いてあることを実行できた試しは、ただの一度もありません。我が家の布きんは百均ショップのものですし、私の人生はさながら「(敵を)刺して、(今日を)生きて、(単身)老いていく」といったところでしょうか』
(出典:貴様いつまで女子でいるつもりだ問題)
そう、憧れていても、今、できないんだな。そう、「ていねいな暮らし」ができてなくても、楽しく生きていけるんだよ。今はそれが大事なんだよ!と思わせてくれるジェーン・スーのこのコラムが、子育てしてバタバタでも生活できれば100点の毎日を勇気づけてくれます。
ジェーン・スーさんは、ちょっと醒めた目線と、女子を拗らせ気味の自分をシニカルに書き出す味が癖になるコラムニストさんで、独身時代にハマっていました。系統としては、酒井順子さん(負け犬の遠吠えが有名)やナンシー関さんが近いように思います
しばらく離れていたけど、やはり面白い。再び気持ちに寄り添ってくれてありがとう、ジェーンさん。
もちろん、松浦弥太郎さんも大好きです。
相反するようで、どちらもわかる生活スタイルです。
※「暮らしの手帖」は花森安治さんが創刊者・初代編集長の、元祖暮らし系雑誌で、実は結構ハードに暮らしを追求しているところに好感を持ってしまいます。花森さんはNHKドラマのとと姉ちゃんで一気に知られましたよね。
世界で一番美しい病気
昨日、夫が急に高熱を出して、会社を早退してきました。
39.5度をマーク、これは、もしや・・・、と心配しつつも、ひとまずは様子を見ながら自宅で静養。一晩休むと平熱近くまで戻り、電話確認の上、病院で診てもらうと胃腸炎でした。
この時期、熱が出ると心配になりますが、何事もなくてほっとしました。
本日のセレクトは、わが息子1歳半によるもの。最近は、大人の本棚をあさり、カバーを外してページをパラパラするのがマイブームらしいです。それにしても、タイムリーな選書(題名だけ)ですね。お父さんのは、ただの胃腸炎でよかった。
中島らもさん、一般的には「明るい人生相談室」が有名かと思います。私はそれで彼を知り、はまりました。
世界で美しい病気、それは恋。
頭が良すぎて、繊細、破天荒型ならもさんらしい恋と欲望についてのエッセイです。
女の子を聖俗どちらかに振り分けて見てしまうのは、男子校で中高生活を送ったためだと本人が書いているとおり、恋に翻弄されたらもさんの告白や短編が綴られています。
奥さんの別著(下記)で記されていますが、パートナーは大変だっただろうなあ。
でも、全てを正直に見てしまう少年のような純粋さ・頭の良さ、それ故の葛藤を抱えたまま生きた中島らもは、本当に魅力的だったんだろうな、と思います。
騎士団長殺し
本筋とは違うところですが・・・。
村上春樹さんは、本当にものを作り出す人なんだな、と改めて実感しました。
作中の主人公が肖像画家なので、絵を描く過程を表現しているシーンが多く出てきます。
絵画作品が小説舞台の中で重要な役割を担うわけですが、それは本作を読んでもらうとして・・・。
画家が、作品を完成に導くまでの内面の動きが詳細に描かれていて、その内容が実にリアル。小説と絵画、フィールドが違うといえど、このレベルで創作活動をしている人にとっては実体験なんだろうな、という説得力がありました。
ストーリー展開・雰囲気は、いつもの春樹さんカラーで、ある意味期待を裏切らなかったです。
創作活動をしたことがある人にとっては、感じたことのある制作活動の葛藤も描かれていて、ストーリーとは別の部分で共感できる本かな、と思います。
春樹さん作品に出てくる主人公は、いつもどこか物憂い、テンションが低い感じで、ちょっと元気が出ないな、なんだかアンニュイだな、という気分の時にぴったりな気がします。
それにしても、新潮文庫さんの装丁室はいつもいい仕事をしますね。
個人的には、ハードカバーより、こちらの文庫版のデザインの方が好きです。
記憶スケッチアカデミー
電車の中で、思わず吹き出しそうになったことはありますか?
私はあります。
うっかり、ナンシー関の記憶スケッチアカデミーを読んでしまったから。
通勤帰りに読んでいたので、もう、帰宅するまで我慢するのが大変でした。(そもそも、我慢するくらいならそんなの読むな、という話ですが)
そもそも、記憶スケッチアカデミーとはなんぞや? なのですが、
『提示されたお題を記憶のみに頼って描いてみることを「記憶スケッチ」、その作品を愛でながらも「人間と記憶とは、そして絵心とは」などについて研究しているのが「記憶スケッチアカデミー」なのです(出典:ナンシー関の記憶スケッチアカデミー2 』
とのこと。
なんの資料もなしに記憶を頼りに人々が描き出すスケッチを、ナンシー関が選り分け、ただひたすら独自のコメントをつけている、というだけのものなんだけれど、たまらなく面白い。
カタログ「通販生活」で、95年からナンシー関が急逝するまで連載されていました。企画自体は誰にでもできるかも、ですが、コメントの秀逸さにかけてナンシー関に勝るものなし、なこの本。
ナンシー関の急逝で終了したことが心から惜しく、もっと読みたかったなあ、と思います。
結婚祝いに気になる本
世間はコロナのニュースばかりですが、個人的に嬉しいニュースが届きました。市民サークルで知り合った年下の友人が結婚したとのこと。
通常なら、直接会ってみんなでお祝いしたんだろうけど、このご時勢、LINEグループでの報告でした。
お祝いを贈ろうと探しにいったら、良いものを発見。
1日につき1箇所、1ページ使って世界一周旅行をする、というコンセプトで、世界の絶景スポットを写真で紹介しています。
各ページには、かかる日数と予算が書かれていて、机上で世界旅行ができるイメージ。
2人で眺めながら、新婚旅行気分を楽しんでもらえたらいいだろうなあ、プレゼントにぴったりなんじゃないか??と思ったのですが、3,800円、そこそこ予算オーバー・・。
同じ内容で、卓上日めくりカレンダー版も発見。お値段3,000円。
こちらの方がもう少し予算に近いけど・・・。
本だと値段がわかっちゃうので、今回は別のものを選びましたが、また別の機会があれば、ぜひ結婚祝いとして贈ってみたい本です。
<おまけ>
結局、何を選んだのかというと、 デコラップという手作りアルバムです。
可愛い表紙と、増やせるリフィルで、可愛いアルバムを作れます。
2人の思い出をこれからどんどん増やしてね!という気持ちを込めて。
誕生日に贈る本
意外に難しいな、と思うのが本の贈り物。化粧品以上に好みがあるのが本。
自分の好みの押し付けになってもいけないし、説教臭くなってもいけないし。
その辺り、あたりさわりなく、でも、なんだかもらって悪くないもの。
なんだろうなあ、と思ってたのですが、私がよく贈るのは、星占いの本。
ある意味、星占いの本って、自分のことについて書かれている本でもあります。
誕生日に自分のことが書かれてる本をもらうのって嬉しい気がします。
おすすめは、石井ゆかりさん。
このかた、筋トレと称して、毎日自身のツイッターで星占いを更新してます。
この姿勢がすでにスピ系っぽく無くて面白い。
文面も、自らに当てはめて、いろんなことが想像できるような、控えめでお茶目な感じが素敵です。
3年間の星占いシリーズや毎年の星占い(星栞シリーズ)もあるのですが、ここでは、星座自体に注目した12星座シリーズをおすすめしておきたいと思います。
装丁も可愛くて、もらったら嬉しいデザインです。
0・1歳児におすすめ絵本
2020年に出産してから、絵本に目がいくように。
元々、好きな分野ではあるけど、実用性という面で見るとまた全然違う。要は、こちら(大人)が好きでも赤ちゃん受けがいいかはまた別問題(個人差があるとしても)、ということ。
現在子供は1歳半。まずは、
<0歳からずっと大好きな絵本>
1.しましまぐるぐる
これは、妊娠中に買ったもの。
本当に、0歳から興味を示して見てました。
3ヶ月くらいからは、はらばいの練習の時に、目の前に置くと嫌がらずにやってくれたり。
1歳半の今でも、本棚からいそいそと選んで、自分でページをめくってます。
2.もいもい
こちらも、同じく妊娠中に買ったもの。
これは、タイトルと内容にひとめぼれ。中身、「もいもい」でしか構成されていないファンキーな作りで、これは子供が好き!と確信(というより、自分のツボにハマった)。
さすがに0歳前半ではあまり興味を示さなかったけれど(色が地味だからかな?)、0歳後半あたりから音が面白いらしく、何回もせがまれました。
1歳半の現在では、イントネーションを真似して、宇宙語(喃語)で読み上げています。
小さいもいもい→大きいもいもいのページがお気に入りで、トーンを替えて読むと、キャハキャハ笑ってくれます。
ちなみに、東大の赤ちゃんラボが監修です。
友人のお子さん4歳女子からも、「小さい時に読みたかった!」との評価が。
<1歳になったよ 大好きな絵本>
3.きんぎょがにげた
とっても大好き、きんぎょがにげた。
すごい勢いで何回もページをめくります。1歳半の今は、きんぎょを指差しながらページをめくったり。おもちゃがいっぱい描いてあるページをじっと眺めてみたり。エンドレス絵本タイム。五味太郎さんのハッキリとした明るい色使いと絵柄が、彼の心を魅了するようです。
出会いは郵便局の切手シリーズで。その後、友人のお子さんがお気に入り、という話を聞いて購入したら大当たりでした。
親の私も大好きです。
余談。グラニフというTシャツブランドがこのデザインで子供用も作っていて、めっちゃ可愛いです。かなり心惹かれましたが高くて断念。好きな人がいれば、ぜひ贈り物に!喜ばれるかも。
4.あめかな
色が綺麗!そして、音がシンプル。
息子は、「ポツ ポツ」のしぶき跡の絵を指でなぞりながら楽しんでました。
雨の日に、絵本の音を真似しながら抱き上げると、一緒にお外の雨をじっと眺めてくれます。
鉄板4冊でした。