本屋の神様

おすすめの本と本屋を紹介するブログです。

TOKYO STYLE

やっと、インターネット回線のフレッツ光ネクストに切り変えました。
メールで切り替えのお知らせが来てたのですが、何回かスルー。今使っている回線は使えなくなる、とのことで重い腰をやっと上げました。

昨日、回線工事の方に来ていただいて、ネット機器の交換と工事をしてもらい、3つあった機械が1つにまとまってスッキリ。

 

工事をしてくださったのは50代くらいのおじさんで、とても気さくな方でした。
色んなお宅に伺うので、ときにはヤーさん系の事務所に行くこともあるとか。でも、案外怖いのが堅気のおうちだったりするそうです。「私が正義!」と信じていて、筋が通らないことでもグイグイ主張して来る、巷で言うところのモンスターペアレント系のお宅、本当に大変みたいです。

 

お仕事柄、色んなおうちの中に入る、ということは沢山のおうちのインテリアとか暮らしぶりとか見られますよね〜、という話しをしてたら、やっぱりそれぞれ全然違いますよ、とおっしゃってました。

当たり前だけど、例えば、同じマンションの同じ間取りでも、暮らす人が違えば全く別の世界が広がってるんだろうな、と思うと不思議な感じがします。お洒落なインテリア雑誌ではなくって、普通の人の普通の今ある暮らしって、まあ見られないものです。
普通の人だと、せいぜい友人や家族・親戚のうちくらいしか見ないわけです。

 

ふと、都築響一の「TOKYO STYLE」、という写真集を思い出しました。

 

 

 


学生の頃見つけて、妙に惹きつけられて買ってしまった本。たしか、ビレッジバンガードの書籍コーナーで。

東京に住む様々な人の、飾らない毎日の家の中がひたすら収集されている写真集です。生活の匂いがありまくり・住人の個性出まくりの暮らしが写されています。多分、80年代〜90年代の暮らし。今見たら、ノスタルジーを感じるかもしれません。

 

その後、「賃貸宇宙」、という本も出されましたが、私の中ではTOKYO STYLEがやっぱり面白い。何が違うんだろう。愚直な感じで写真が収集されている感じがいいのかな。

 

そういえば、あの本、どこに行ったのかしら。久々に眺めたい気分です。

嘘みたいな本当の話 みどり

夫は、電車通勤です。結構長い時間、毎日電車に揺られて通勤しています。

というわけで、彼は電車の中で本を読むわけですが、毎回セレクトを頼んできます。読み終わったら、「で、次は何の本?」と。

お悩み半分・嬉しさ半分で、硬軟・緩急つけて(彼に)合いそうな本を選びます。

今回は、仕事が忙しそう&ちょっとお疲れモードに見受けられたので、軽めで、気分が健やかに明るくなるようなものにしてみました。

 

内田 樹・高橋源一郎 選の

 

嘘みたいな本当の話

 

一般から募集したいろんな話を、内田さんと高橋さんがセレクトしたお話集です。

お酒に酔った人の話から、日常で起こった漫画みたいな面白いはなし(でも本当)など、くすっとしたり、あるある、と共感したりする楽しい本です。

 

ポイントは、お話のセレクト基準があざとくないこと。

 

面白さ第一主義の際どい「嘘みたい」や、仰天するような「嘘みたい」」ではなく、日常のちょっとした「嘘みたい」な面白いことや、アレ?という「本当の」話、が集められていて、自分の日常にも何かあるんじゃない?と振り返ってしまう感じ。

 

感想を聞くと、一人くすくす笑ってしまい、変な人になっちゃうから「電車の中で読んだらダメ系の本だね~」だそうです。まあまあアタリで良かった。

出産祝いにいいかも

打ち合わせで、久々に京都・四条烏丸へ出ました。朝の小一時間ほどの打ち合わせ。思ったより早く終わったので大垣書店四条烏丸店へ本のウィンドウショッピングへ。
大垣書店四条烏丸店は、四条烏丸通りの北西角にあるショッピングビル・ラクエの北隣・烏丸通りに面したところにあります。地下鉄四条駅・22番出口を降りてすぐ。マクドナルドの2階です。

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www.books-ogaki.co.jp

お気に入りの本屋さんの一つで、程よいフロアの広さ・便利な立地・明るくて綺麗な店内、とポイントが高いです。烏丸通りに面した部分は一面ガラス貼りですが、2Fなので、外からの人目が気にならない気持ち良い空間になっています。BGMはクラッシックで落ち着きがあります。
2〜3年前に棚替えがあったのか、漫画コーナーが随分増えた印象ですが、変わらず選書・見せ方に安定感があって、四条まで出てくると、つい寄ってしまう本屋さんです。

ここは、エスカレーターを上がった入り口すぐの柱に、その時おすすめの本がレイアウトされています。まずはここから店内探索をスタートするのが定番です。が、そこで早々に出会ってしまったのがこちら、

よちよちチチ

www.ehonnavi.net

絵本作家、ヨシタケシンスケさんの育児漫画です。

彼の絵本、ユーモアがあって可愛くて、なんだかニヤニヤできて好きなのです。今までも、出産祝いに、と「お子様」用にプレゼントしたことがあります。でも、今回は「大人」向け。プレゼントしたい相手は、後輩の女子ですが、初めて赤ちゃんと出会った旦那さんを思い浮かべながらニヤニヤしてもらいたいな、と思います。

休息

この週末、珍しく風邪をひきました。
土曜の朝、なんだか鼻がおかしいな、というところで、予定をキャンセルして休めば良かったのですが欲が出て、しっかり遊んだら案の定。あまりに体がだるいので、日曜は早々に床に入り10時間以上寝てしまいました。
明けて月曜、やっぱり体がなんとなく重いので、しっかり仕事をすることは諦めて、必要な連絡事項だけ行ってお休みに。こういう自由が利くのがフリーランスの良いところです。
午前中にゆるゆると必要作業をして、お昼は近くのミスタードーナツへ。おともは、先日の本棚の整理で出てきた「雪と珊瑚」。

 

 

作中に出てくる自然派メニューや主人公のカフェオープンへの道のりを考えると、ミスドで読む本のセレクトとしてはどうなんだ?と思いながら、読み込む。

主人公は、21歳で赤ちゃんのいるひとり身の女子。そこに絡んでくる登場人物たちが皆、人間味があって暖かい。梨木さんの本に出てくる年配の女性というのは、いつも本当に素敵です。こんな方が身近にいたらな、と思ってしまう。
主人公の赤ちゃんが風邪をひいたときに、お世話をしてくれている年配の女性が作ってくれる大根のスープが美味しそう。滋養ありそう、と思いながら、誰かがお世話をしてくれる暖かさを思い出す。

読み込んでると、ミスドのお兄さんがカフェオレのおかわりを注いでくれました。最近はこんなサービスがあるんだ、とちょっと嬉しくなってお礼を言いつつ、再び本へ。

 

2時間ほどゆっくりしてから、仕事に戻りました。リラックスした読書で、心にも滋養と休息を入れたおかげか、頭が少し軽くなり、やる気もちょっと回復してきた様子。
今日は、あとちょっとだけ仕事をして、明日からの業務にそなえようと思います。

風邪をひいたのは、体からのメッセージ。ちょっとしたお休みをいただけました。

本棚の整理のススメ

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ビブリオマンシー

ぱっと開いた本のページに書いてある言葉を、天からのアドバイスとする占いのこと。
本の整理をしていると、これに似たことが起こります。
青葉の爽やかな5月、ここ一週間ほど、伸ばし伸ばしにしていた事務所の模様替え&本の整理をしていました。
本の整理って、頭の中の整理に似てるな、と思います。開いて中を見ながら、いる・いらないを決めるのは、これからの自分を選ぶことと、ほぼ同義です。気づかないうちに溜まっていた垢を落とす感じ。

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その中で、「あ、これ、今の自分に必要だわ」、と思ったのが

こうすれば必ず人は動く(D.カーネギー)

デール・カーネギーの著書としては「人を動かす(D.カーネギー)」が有名ですね。いわゆる自己啓発成功哲学の古典名著と言われるものです。
「こうすれば必ず人は動く(D.カーネギー)」の方は、それの実例版、というところでしょうか。元々、デール・カーネギーラジオ講座のシナリオとして書かれ、講座終了後に文章化され、引き出し奥深くにしまわれていた原稿だったそうです。内容は生き方のベーシックな指針についてリアルな事例を交えながら書かれている読みやすい本です。

 

この1年ほど、結婚やら引越しやらで生活リズムの激変・諸々でちょっと気持ちが弛んでました。いろいろ、いい加減になってた自覚はあります。

そんな自分にとって、本から立ち現れてきた言葉は、

 

『取引をしようと思うなら、相手特有の問題が何であるかを発見し、相手がそれを解決できるよう、援助を提供すること』


自分が相手にとって何が提供できるか考えること。『取引』というと硬い感じがしますが、でも、これって全ての基本ですよね。ちょっと目が覚めました。よく考えれば当然のことなんだけど、何も考えない日々の生活でつく精神の贅肉に埋もれて忘れてました。

本棚の整理、おすすめです。なんとなく毎日スッキリしないな、と思う方、自宅の本棚でビブリオマンシーいかがでしょう?

読書のバイオリズム

最近読む本は、エッセイや軽い小説ばかりです。どうも、読書のバイオリズムがあるらしく、軽めのものが読みたくなる時期らしい。

ひたすら読む周期のときは、ビジネス書を読む合間に小説やエッセイを挟んで、という読み方をしてたこともありました。エッセイや小説はスナック菓子、ビジネス書は主食料理というイメージで、料理を食べる合間におやつで休憩をとる感覚だったんだろう、と思います。

今、読み返してるのは、酒井順子さんの「泣いたのバレた?」とジェーン・スーさんの「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」。

二人とも頭が良くて、どこか達観した感のあるバリバリ働く大人女子。同世代(ちょっとお姉さん?)の女友達の話が聞きたい気分なのかもしれません。

本屋さんと図書館

f:id:book-shopper:20170322101801j:plain本屋さんと図書館の違いって何だろう。
本屋さんに行くと、特に目的がなくても「読みたい!」とか「あー、これ、気になる…」という本に出会うことが多いのに、図書館ってあんまりそういう出会いがない。資料探すときにはとっても便利なんですけどね。それでも、そそる本は本屋さんで出会うことの方が圧倒的に多いです。

つらつら考えるに、図書館って、なんか名簿っぽいからかな。
クラスの中で、仲の良いグループごとに分けられてるんではなくて、名簿順に集められてる感じ。仲の良いグループにまとめられてたら、気の合う友人を見つけやすいけど、名簿順って単純に名前で集められているから必ずしも気があう人が近くにいるわけじゃない。

知り合いから「◯◯ちゃん、面白いよ!」とか聞いてたら、名前がわかる名簿は便利だけど、名も知らず感覚を頼りに、自分にとって面白そうな子を探そうと思ったら、雰囲気が似てたり共通項があるグループでまとまっている方が出会いやすいのに似てます。

そう思うと、良い出会いがある本屋さんって、その共通項見つけが上手いなぁ、と思います。

もちろん本屋さんも作者毎の陳列が基本になっているけど、イベントの平台とか企画コーナーなんかで、意外な仲良しグループを作って見せていて、図書館では目が合わない本と出会ったりする。

webでふらっと本の買い物をしないのは、そのへんが理由かもしれません。(webの本屋さんって、基本は検索だものね。「これもおすすめ」って出してくるけど、自分の好みに合わせてくれてるだけだし。他の人の切り口で共通項を見出されて集められた本のくくりって、興味深いし新鮮です。)